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2009年11月23日

クローズド・ノート & ウルフルズ

クローズド・ノート & ウルフルズ

不覚にも涙を流してしまった。

「雫井脩介」は、本屋に行けば新刊が出ていないか確認する、好きな作家の一人だ。

「火の粉」「虚貌」「犯人に告ぐ」は、クライムサスペンスとして、確かな読み応えがあった。

どの作品もかなりの長編なのだが、ラストまで読者を弾きつける筆力は「圧倒」と言ってもいい。

どちらかと言うと、硬派なイメージを抱いていた「雫井脩介」だけに、

背表紙で、恋愛をテーマにした小説だと知った「クローズド・ノート」は、ずっと敬遠していた。

更に、映画化では、「世界の中心で愛を叫ぶ」の監督がメガホンを取ったと聞けば、尚更だ。

軟弱で歯の浮くようなセリフや表現の多い恋愛小説が頭に浮かび、どうしても手を出せずにいた。

ところが、一昨日の就寝前に、仲間由紀恵の顔を浮かべながら「横山秀夫」の「顔」を読み終えると、

読む本がなくなってしまい、昨日、図書カードを持って本屋に行った。

文庫の平積みコーナーで、ほんわかと、淡いパステルの光を放つ文庫が手招きしていた。

引き寄せられるように、その文庫を手に取ると、万年筆の絵の先っぽが「コレ!」と主張している。

「まあ、たまにはいいか。雫井だから、ただただ甘いだけじゃないだろう」と、

拾い上げてパラパラ捲っては置き、抜き取って背中を見ては置き、を何度も繰り返してきた文庫を、

パラパラもせず、背表紙の粗筋も読まずに、そのままレジまで運んでいた。

いつものごとく昨日の就寝前に軽く読み始め、本日の朝のトイレの中で完璧に嵌った。

読み止まらない、ミステリーやサスペンスもの以外で初めて読み嵌ってしまった。

とてつもない事件が起きるわけでもなく、平凡な女子大生の日常が中心だ。

登場人物もいたってノーマルだし、冒頭以外は女子大生の一人称で語られる。

女性が主役の恋愛小説だし、年齢的なことからも、感情移入は不可能かと思った。

これも「雫井」の筆力なのか、それともオレの細胞が「ひとえ」に出来ているからか、

ラストのエピソードでは、不覚にも鼻を鳴らし、涙を拭っていた。

あとがきでは、更に、涙が込み上げてくる事実が判明する。


読み終えて、映画では誰が主人公を演じていたかを確認すると、

「エリカ」様、

そうか!舞台挨拶で例のパッシング事件を起こした映画だった。

物語の内容と随分異なる配役と映画広告にあらためて驚いた。

テレビでは「yui」が歌うテーマが印象的だったけど、

ウルフルズのこの歌の歌詞も何だか合っているような気がする。

「たしかなこと」-「ウルフルズ」
http://www.youtube.com/watch?v=zVeIZzgq-HY&feature=related

好きな人には 好きといいたい
好きな人には 好きといわれたい
同じしあわせ 感じあえたら
何もいらない それだけでいい

もしも かなうなら
好きなだけ 好きでいて
そう たしかなことは
君のこと 好きなこと

ふざけ合うのは わざとらしくて
みつめ合うのは しらじらしくて
心の奥で 分かりあえたら
何もいらない もう迷わない

もしも かなうなら
好きなだけ 好きでいて
そう たしかなことは
君のこと 好きなこと

声に出さず君の名を呼ぶ
あの日の涙 思い浮かべながら

好きなひとには うまくいえない
熱い想いを 伝えたいのに

もしも かなうなら
好きなだけ 好きでいて
そう たしかなことは
君のこと 好きなこと

そう たしかなことは
君のこと 好きなこと



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Posted by takichi at 19:04│Comments(0)日本
 
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