2010年11月28日
ボーダー ヒートアイランド
1週間ほど前、暇つぶしに本屋に寄って作家別のハードカバーのコーナー見ていたら、この本に出くわした。
「おっ、垣根、またヒートアイランド系、書いてるじゃない」
棚から取り出して、何時頃の発刊なのか確認すると、今年の4月、まだ新し目。
はなっから買う気は無いし、冷やかしの暇つぶしだったから、タイトルを頭に刻んで本屋を退散。
で、我が居宅の近くの市立図書館に寄って、この本をオーダーしてみた。
すげーぞ、市立図書館!
2日でオレの手元に本が届いた。
さっそく本日で一気に読みきったぜ。
当初ほどの疾走感と言うか、緊迫感は薄れてはいるものの、「アキとカオル」の健在に、まあまあ満足。
「午前3時のルースター」まで関わってくるとは、
最初からそんな構想でヒートアイランドを書いていたのか?
それとも、後からくっつけたのか?
それは作者しか知らないことだけど、
無理なこじつけで、鼻で笑うことも無かったし、
エンターテイメント小説として十分楽しめた。
最初、超然としていた「カオル」のキャラが、「アキ」との再会で小さくなり、
さらに柿沢と桃井の登場で「大人」と「子供」の差に広がる感じが不思議に思う。
排他的な世界に生きる4名のキャラだけど、関係を持つことで世界が広がり、人間としての位置づけが変わる。
学生は学生の世界だけで、20代は20代の世界だけで、30代は30代の世界だけで、
視野を狭くすることで自分の居場所が定着するし、それはそれで安定した楽な世界のかもしれない。
ふと、そんなことが頭を過ぎった。
現代人と言うか、今の日本の社会では、自分の位置づけが変わることに、異常な恐れを持ち過ぎでは?とかね。
年老いて疲れた大人はしょうがないけど、若者は日々変わっていく自分の位置づけを楽しむべきでは?とかね。
何が言いたいのかよくわからなくなってきたけど、
知事選で騒がしい南の島おは、ある意味ヒートアイランドしていたけど、
そんな中オレは、家の中でゆったりと「ボーダー ヒートアイランド 著 垣根涼介」を楽しんだ。
さて、この本を読んだ感想にはどんな音楽がお似合いか?
本の中では、重量感のあるベース音のラップがイメージとなっているけど、
オレの頭には、このバンドのこの曲が直ぐに浮かんできた。
Rollins Band Illumination
Posted by takichi at 22:12│Comments(0)
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