2010年01月26日
Stevie Wonder All I Do
先日、クラプトンがスティービー・ワンダーをカヴァーしている映像をアップして以来、
「Hottaer Than July」漬けになっている・・と言ってもyoutubeでなんだけど。
このアルバムには、「名古屋野郎と一騎打ち」をした淡く切ない思い出もあるが、
http://blogs.yahoo.co.jp/takichitoginji/12428726.html
アルバイト漬けだった若かりし学生時代の想い出を、いまだにフラッシュバックさせる効果がある。
オレのバイト先の喫茶店は、カウンターに10席程度、テーブル席が20席程度の、
「純喫茶」とか「珈琲喫茶」という表現が似合うお店だった。
ブレンド一杯250円、フレンチローストの豆で拵えたアイスコーヒー300円、
甘みを抑えた生クリームを、渦巻状にグラスに乗せたアイスココア400円は、女性に人気だった。
食事は、サンドイッチ、ピザ、ナポリタンとボンゴレのみ。
メニューは少ないが全部お手製で、マスターがいつも新鮮な野菜を目利きして仕入れていた。
学生やOLを中心に、そこそこ流行っていたけれど、新規開業の競争相手が増えてきて、
客足は徐々に減少、一日の目標に達しない日が続き、ついにマスターは店を手放すことになった。
店舗を構えていたビルのオーナーで、手広く酒屋と居酒屋を経営する「越後屋」が居抜で引き取った。
(「越後屋」は本当の名称じゃないけど、何となくその方が面白いかと思って・・)
オレたちバイトもそのまま居抜の中に入ってしまっていた。
越後屋の親父さんは酒屋で忙しいので、居酒屋を任されている長男が面倒を見ることになった。
この長男、見た目はポール・ロジャーズ風で、気骨のある素振りを見せるのだが、かなりのお坊ちゃま。
当時600万だったかな?エアロパーツ付の真っ白いソアラを乗り回していた。
何だか知らないが、そのソアラに乗せられて、横浜の二代目仲間の所に連れていかれたことがある。
「takichi、お前バンドやってるんだろ。こいつアメリカでギター買ったらしいんだけど、いらないってさ、だから、お前買ってやったら?」
「えっ、いくらですか?」
「安いよ、50万でどうだ?ハハハ」
「買えるわけないでしょ・・・」
「買えるわけないか!ハハハハハ」
と、南の島の貧乏学生をコケにする話を平気でするような男だった。
別に性格が悪いわけではなくて、所謂、お坊ちゃんで、金で苦労したことが無い感じの男。
そんな男が店を引き継いだもんだから、これまでの純喫茶、珈琲喫茶路線で済むはずがない。
何かと言うと、「松任谷由美」の歌詞に出てくる「ドルフィン」ではどうのを繰り返す。
メニューの見直しや、サンドイッチの切り方で、遅くまで揉めたことがあった。
生まれた時から金持ちの人に会うのは、生まれて初めてだったかもしれないので、
自分とは別世界の会話や出来事に驚くことが多かった。
越後屋には「亀ちゃん」って、ほぼオレと同じ歳の次男がいて、
愛嬌があって謙虚で兄貴より皆から好かれていた。
(本当は亀ちゃんじゃないけど、その方が面白いかと思って・・)
仕事も一生懸命で、親父の酒屋を文句も言わずに手伝っている様子だった。
その真面目さからなのか、約束だったのか、誕生日のプレゼントだったのか?
よくわからないけど、亀ちゃんが親父さんからプレゼントを貰ったという噂を聞いた。
亀ちゃんが客でカウンターに座った時に「プレゼントって何だったの?」と聞いてみた。
「前から欲しかったんだけどさ~、セリカの××!」
車には全然詳しくなかったけど「スゲー」と叫ぶくらいの知識はあった。
それから一週間もしなかったと思う、ウキウキで仕事をしていたはずの亀ちゃんが、
包帯だらけの松葉杖で帰ってきた。新車は廃車となったそうだ。
バイト仲間にも、大学の後輩なんだけど、名古屋のどこかの御曹司がいて、
新車で「シルビア」を買って、同じく1週間もしないうちに廃車にしていた。
それも、ほぼ「××」と同じ時期だった。
金がある奴は、まず車なんだな~、しかもすぐ廃車かよー、と思った貧乏takichiであった。
そういえばその頃オレは、「シルビア」の後輩から原付を借りて乗っていた。
オレは原付でいいんだよ。
オレはイイドー、原付で。
オラハイイドー。
「All I Do」
http://www.youtube.com/watch?v=TLKvkXm9CUg&feature=related
Posted by takichi at 20:41│Comments(0)
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