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2010年12月27日

実は入院していた、しかもI・C・U2

実は入院していた、しかもI・C・U2

テレビはつまらないし、地下のコンビニで売ってる週刊誌はもっとつまらなくて、懇願して買ってもらった実録本。隅から隅まで、いや、墨から墨までか?とにかく読み耽ってしまった。



救急で耳鼻咽喉科の先生から入院を宣言されると、いきなり車椅子が用意され、その後の移動は全て看護師さんの押す車椅子となった。

喉の痛み以外はいたって元気なtakichiで、別に足腰に来ているわけでもないのだが、用心のためにと先生の指示で車椅子生活となったようだ。

子供の頃は、車椅子に乗りたくて、病院に行くといつも悪戯して母親に殴られていたtakichiではあるが、実際に車椅子で生活するのはあまりいい気分ではない。

看護師に付き添われ廊下を渡りエレベーターに乗ってICUへ向かうのだが、乗り心地が良いとも思えなかった。

ICUの階に到着しエレベーターの扉が開くと、目の前にアメリカドラマや医療ドラマで見たような、銀色の扉に小さな窓があある、やたら金属っぽい入り口を目の当たりにする、

簡単には入れないようで、看護師が入り口の足元にあるペダルを3回踏みつけるとパコっと扉が開いた。

中には、看護師なのか医師なのかよく判別がつかない、コードブルーっぽい垢抜けた男女が忙しそうに動き回っている。

車椅子が前へ進むと、いくつもの透明な配線に包まれ、ボタンやメーターだらけの機械の前で口を広げて寝ている患者がいる。

首がゆらゆら揺れている感じで、かなりの重症患者のようだ。車椅子はその隣のベッドで止まった。

自力でベッドに横になると、カーテンに囲まれ回りが見えなくなったので、ぼーっと入り口を眺めた。

隔離された世界であることが一目で判る。

「まじ、オレ、ICUなんだ」

何だか心細くなってきて、本当に病気になってしまいそうだ、実は本当に病気なんだけど。

血圧を図ると、その不安が如実に現れていて、普段60~120の血圧優等生のオレのはずが、80~150とこれまでにない数値を出していた。

一時間後の血圧は正常数値に戻っていたので、安心したけど。

抗生物質と痛み止め、栄養剤の点滴を3本ばかり一気に身体に流されたせいなのか、眠気に襲われ熟睡。

その日は喉の痛みが治まることはないものの、痛み慣れしたようで、睡眠の妨げにはならなかったのだが、

1時間毎に自動で血圧を測る態勢になってて、熟睡したかと思ったら、ウィーンといきなり腕が締め付けられ、誰かに腕をつかまれたのかとビクっとして起きると言うことを繰り返していた。

昔、深夜の映画館のトイレでで浮浪者に襲われた時、ドアで思いっきり突っぱねて浮浪者をひっくり返した後、映画を見るために席に付いたものの、仕返しに来るんじゃないかとビクついていたことを思い出したりした。

喉の腫れが増すようであれば緊急手術と聞かされていたのだが、点滴のお陰で腫れが広がることはなかったようだ。

翌日朝、鼻の穴から咽喉ファイバーで喉奥を探ってもらったら「ん~、腫れの侵攻は食い止めたみたいだね、この分なら一般病棟で大丈夫だ」と、先生がとんぼみたいな顔をしながら、笑った、ように見えた。

午前11時には一般病棟へ引越し、それでも未だ危険性はあるとのことで、ナースステーションの真前となった。

さて、ここからがtakichi的には苦しかった。

喉の痛みも治まりつつあり、言葉も普通に話せてきて、意識的には元の健康takichiとなっているので、横になって点滴ばかりの生活が苦痛でしょうがない。

没頭できるほどのテレビ番組なんてないし、読書に耽るしかない。

しかし、未読本のストックが無く、自分で探して歩くこともできず、仕方なく既読の文庫を指定して読むことにした。

「奥田英朗」の「邪魔」と「ララピポ」

入院生活と言うシチュエーションに何だか奥田英朗が合っているような気がして家から持ってきてもらったのだが、まさにピッタリで、あらためて奥田の文章が好きな自分を感じた。

それにしても、ずっとベッドと言うのは、本当大変だね~、オレは5泊6日だからまだいいようなものの、1ヶ月2ヶ月なんて、気が狂ってしまうかもしれない。なるべく病院にはお世話にならない生活をしたいものだとつくづく思うtakihciであった。


そう言えば、オレの隣のベッドの人の話だけど、

おそらくオレと似た症状での入院じゃなかっただろうか、30代と思われる男性の事情。

看護師とこんな会話をしていた。

「先生に連絡取ってもらって、明日、退院していいかどうか確認してもらえませんか?」

「今日は、先生お休みですので、後で電話してみますけど、何かあるのですか?」

「実は、東京出張がありまして、明日の朝早くに空港に向かいたいのですが」

「まだ退院の許可は下りてませんので、出張のキャンセルではできないのですか?」

「会社からチケットとか関係書類が病院に届けられているんですよ、鬼ですよ全く!」

いったい何処の会社だ?入院患者に出張のチケットを届ける剛腕社長は誰だ?

恐ろしい会社もあるもんだと、リーマンの悲哀を感じてしまった。

結局、先生とは連絡がつかなくて、翌日の朝先生が病室に来て退院不可を宣言していた。


これまで大きな病気に罹ったとがなく、入院も手術の経験も無いtakichiだけに今回の突然の入院は大きな出来事なのである。

高3の夏、お腹が痛くて病院に行くと、盲腸だと診断され手術手前までいったのだが、なぜか急に腹痛が治まり手術を取り止めたことがあった。

中間テストかなんかの時で、「勉強してるわけないし、ちょうどいいや」と盲腸を理由に学校を休んだら、病欠扱いと言うことで全体の平均点をくれた。

不得意科目の物理で、かつて取ったこともない点数が貰えて得をした覚えがある。

他の科目でもこの手が使えないものかマジで考えたことがあった。

そんなことを思い出させた、一冬の経験、takichiの入院ノート2!

で、なぜこの曲を選択したんだろう?記事を書いているうちに忘れてしまった。

まあ、何となく入院と言う感じがするんじゃない、

The Rolling Stones Wild Horses



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Posted by takichi at 23:03│Comments(0)UK
 
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