2010年11月30日
携帯の話2
労政担当として、組合のメンツと密かに一献交わし続け、二献、オスマン三献していたある日、
その日も組合三役と外食を兼ねて打ち合わせを行う予定で、銀行外で待ち合わせをしていた。
記憶がはっきりしないのだが、組合のメンツが仕事の都合で遅れて来るということで、
オレは先に誰かと何処かで、軽く引っ掛けてから待ち合わせ場所に向かったと思う。
待ち合わせ場所のビル前に到着するとまだ組合メンツは誰も来てない様子なので、
携帯で、自分の到着を連絡した。
その時、何の弾みなのか、どんな動作の結果なのかよくわからないけど、
携帯の充電池部分が弾け飛んでしまい、イチロー並の反射神経で手を伸ばすものの、
変な回転をしながら、1000分の1秒の差でオレの手を逃れた電池が、無残にも地面に落ちて行った。
会話の途切れた携帯の本体を耳に充てながら、回転電池の行方を目で追うと、
ビエー、ブエー、ボハー、ブハー、アゲー、ハー、アッハーン、ウッフーン、
どんな表現をしていいのか良くわからないけど、
なんと、ビルと歩道の境界にある側溝、
しかも、鉄蓋の約1センチ間隔の網目を見事にクリアして、側溝の底に消えてしまった。
慌てて、しゃがみこんで指を突っ込んでみるが、届く位置にはない。
水が溜まっている様子はないが、看板やネオンのチラチラ灯りの中では電池の所在が確認できない。
オレはずっとしゃがみこんで、必死に小枝や板切れを側溝の蓋に入れてかきまぜるように電池の捜索をした。
悔しいことに、側溝の蓋はしっかりネジで留められ、ビクともしない。
回りの目もきにせずに、携帯の電池探しに没頭していると、
「どうしたんですか?先輩」と、副委員長の声がする。
「途中で携帯は切れるし、連絡取れないと・・・・・」
ぶつくさ何やらほざこうとする副委員長の言葉を遮り、
「オイ、この辺でマイナスドライバーを調達して来い!」
「えっ、ここは繁華街のど真ん中ですよ(松山交差点:新宿歌舞伎町みたいな場所)、無理ですよ」
「つべこべ言うな、この下に携帯の電池を落としてしまったんだ、オレは携帯が無いと生きて行けない」
「えっ、それで携帯がつながらなかったんですか」
「とにかく、ドライバーを調達して来い」
わかりましたと、しばらくその辺をウロチョロして回りに目をやる副委員長、
直ぐに戻って来て、
「ここには金物屋さんとかはありませんし・・・」
「バカか、そこにステーキハウスがあるだろう、ドライバーの1本くらい店に置いてあるだろう、借りて来い」
「えっ、ステーキハウスですよ、営業中の・・」
ぶつくさ言いながらも副委員長はステーキハスに行き、しっかりマイナスドライバーを調達してきた。
「やればできるじゃねーか」と、ドライバーを受け取ったオレは、
スーツ姿で、側溝の蓋の四隅のネジを緩め、蓋を取り外し、手を突っ込み、電池を救出した。
安心したと同時にすっかり酔いも覚めてしまい、
「さあ、飲み直しだ!」とニコニコ顔で電池の嵌った携帯をポケットに仕舞い、
微妙な安心顔をする副委員長を急かして、集合場所へ向かうtakichiであった。
「副委員長、ちゃんとドライバー返しておいてね、気をつけないと携帯の電池ってすぐ外れるぜ!」
今思えば、とんでもない能天気先輩だったんだと、反省はするが後悔はしない、でも学習はしないとね。
それでは、能天気な三人娘で楽しい雰囲気で、二日続けた携帯話を終了としたい。
The Pipettes Your Kisses are Wasted On Me
Posted by takichi at 21:54│Comments(0)
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