皆さんは、裁判員制度について、いかほどの理解、認識をお持ちであろうか?
国民の誰もが、裁判員に指名され、罪を犯した者を「裁く」可能性がある。
「裁く」と言葉で表すことは簡単なことであるが、具体的にその意味を説明できる者はいるか?
被告人はもとより、被害者及び被害者の家族の今後の人生をも左右する決断の過程に参加する意味を、
理解されているか?
有罪無罪の単純な二者択一と勘違いされているお方はおらぬか?
裁判員制度では、有罪無罪はもとより、量刑をも判断しなければならないことを認識いただきたい。
法律の専門的な知識を有しない皆さんが、果たして適切な量刑が判断できるであろうか?
本日は特別講義として、量刑相場を理解する目的で、練習問題を用意したのでチャレンジいただきたい。
自己の生活感、経験値のみで判断することが裁判員制度の趣旨に合致した訓練となるので、
法律書、判例集等の閲覧を禁ず。
ケース1
アパートで、他の女性と情事にふけっていたご主人を撲殺した主婦、
突然の浮気現場との遭遇、日常的な暴力で精神的に追い詰められ突発的に犯行に及ぶ。
その日、単身赴任で一人住まいをしているご主人のアパートを訪れた被告人は、
合鍵でドアを開け、ベッドでご主人に覆いかぶさるように愛撫している愛人の姿を目の当たりにする。
愛人の嬌声に逆上した被告人は玄関脇の置時計を持ちベッドに駆け寄ると愛人の後頭部に一撃を加える。
その衝撃で愛人はベッドから転げ落ち意識を失う(命に別状なし)
被告人は慌てふためくご主人の顔面に置時計を何度も振り下ろし殺戮にいたる。
開業医として関西と関東で病院を経営する被害者は、
関西に住む被告人に、関東の経営が厳しい等の虚偽の報告を行い関東で単身アパート暮らしをしていた。
実は、愛人との生活のためのもので、関東の病院の経営は良好である事が判明している。
1ヶ月に1回程度、関西に戻る被害者は、料理が不味い等、
家事一切に文句を付け、殴る蹴るの家庭内暴力が常であった。
度重なる暴力に耐え切れず被告人は離婚を検討しており、日々思い悩み精神的に不安定な状況にあった。
また、目の当たりにした情事の相手は、被告人の実の兄の元妻であったことから、
精神的な衝撃も計り知れないものと判断される。
精神的に追い詰められた状態で、情事の現場を目の当たりにした被告人は、
突発的に犯行に及んだとして、情状酌量が認められ、判決は懲役3年執行猶予5年となった。
さて、ここで問題、
被告人に殴られたものの、生存している「愛人」の量刑を判断いただきたい。
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回答
「被告人の実の兄の妻でありながら被害者である被告人の夫と密通、事件当日、医師である被害者の上に乗っていた事を考え合わせ 実刑(実兄)3年に処す(医師の上にも3年)」
ケース2
遊び仲間である被告人3名は、共謀して女性を襲う事を計画、
その日、仕事を終え帰宅の途にある被害者を尾行し、
公園前にて拉致、公園内に引きずり込み強姦を試みるものの、
被害者の悲鳴で駆けつけた公園前派出所警官に、強姦未遂の現行犯で逮捕される。
実況見分調書によると、被告人1は被害女性の大腿部に触れたとあり、
被告人2は被害女性の陰部に触れたとある。
被告人3については、被害女性に触れることなく、
被告人1、2の犯行を目の前にマスターベーションを行ったとある。
卑劣な強姦未遂事件で、どの被告人の罪が重いのか判断し、量刑を決定いただきたい!
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回答
「被告人1と2を懲役3年とし、被告人3を懲役8年に処す」
自己の欲望を満たすため、見ず知らずの被害者に暴行を企てた3被告の卑劣な行為は許し難く、
共同正犯として3被告ともに厳罰に処すべきではあるが・・・
昔から、『モモ(大腿部)、クリ(陰部)3年、カキ(マスターベーション)8年』と言われている。
やっと見つけたぜ!愛さん、ありがとう!前の記事も本当はこれがオチでした!